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中国から幼少期に暮らした日本への来日を決意した呉さんは、中国と日本の大学病院の違いを体感しながら充実した日々を送れているそうです。
言語や人間関係など直面する問題は少なくありませんが、どのように乗り越えたのでしょうか。来日から日が浅い中、呉さんは多くの学びを得て進歩を感じていると言います。
幼稚園の卒園まで6年間日本に住んでいましたが、以降はずっと中国で暮らしていました。両親が私とは離れて日本で暮らしていたため、夏休みなどバカンスがあれば来ていた程度です。
両親が医師というわけではありませんが、高校時代に化学に興味を持っていたところ、先生から「化学が得意なら医者を目指しても良いのではないか」と言われ、医師になることを決めました。
それから調べていくうちに、日本の保険制度は世界的に見ても“人に優しい”事に気が付いたんです。誰でも負担できそうな医療が作られていると感じ、そこを知りたいと思うようになったことが来日のきっかけです。
中国でも大学の附属病院を経験していたので、日本でも「大学病院であればイメージが近いのではないか」「大学病院同士の違いも見えるかも」と思い、大学病院を希望していました。そして、両親の家の近くということもあり、聖マリアンナ医科大学病院に決めました。
正直に言うと、日本に来たかった理由の一つに日本のアニメが好きなことがあります。
休日は家でゴロゴロしながら、好きなアニメ鑑賞やゲームをすることが多いんですが、診療科の先生方の中にも趣味が合う方がいて、一気に打ち解けることができました。
そんなこともあり、周りの人たちにはすごく良くしてもらっています。
ただ、最初の頃難しかったのが言語の問題です。特に難しかったのが、患者さんにどうやって病状を説明するか。
日常会話で使うことがない言葉が多くて、研修をしながら覚えた言葉も少なくありません。周りの先生が優しくて、何度も機会を与えてくれたりアドバイスをもらうなどのサポートもあって進歩したと思います。ただ、病状を分かりやすく説明したり、重い病態の方への分かりやすい説明などは今でも難しいです。
また、中国では静脈の採血は全部看護師がやってくれますが、日本では違います。点滴のルートを取るなども日本に来て初めて行いましたが、出来ることが増えて良かったと感じています。
仕事面でのサポートもですが、同期はもちろん先輩や先生方など、とにかくみんな優しいです。
アットホームな感じが強くて本当に助かっています。
労働時間もちゃんと守れていて、有休などもしっかりとれるので体やメンタル的にも良いです。
中国では手技の経験が少なかったんですが、そういった機会をちゃんと与えてくれるところも魅力だと思います。
これまで外科の中でしかやってこなかったのですが、聖マリアンナ医科大学病院では内科の部分にも触れることができ、「こんな考え方もあるのか」と新たな知識が身につく時が楽しいですね。
今まで中国では内科の先生に託すしかなかったところを、自分でも対応できるようになってきていると思います。
研修を通して、段々と人の役に立つとか、仕事の意義を感じるようになっています。
実際に学んできた知識が「いつでも・どこでも・誰にでも使えるような知識」なので、これからに向けて楽しみな気持ちが湧いてきました。
これから研修医になる方々には、色々な選択肢があると思いますが、自分の心に従えば良いと思います。自分のやりたいこと、なりたい人になれば良いかな。それだけだと思います。
私も後輩の先生が入ったら、先輩方のようにサポートできればと思っていますので、ぜひお待ちしています!
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