木屋 光博さん

両親が共に歯科医を営んでいるという木屋さんですが、なぜ歯科医を選択せず違う道を選択したのでしょうか。

「小さな頃からアレルギー体質に悩んでおり、特に進路を考える中学生時代に悩みが強かったことで、アレルギーを治せる医師になりたいと思ったことがきっかけでした。」

ご両親も親から引き継いだ開業医であり、木屋さんの代で途絶えさせてしまうことには迷いもあったと言います。
現在は迷いもなくなり、研修医として様々な科を回る日々を送っているそうです。

「約半年で小児科、産婦人科、循環器内科、麻酔科の順で回り、現在は救急科で学んでいます。回ってみると色々な科に心は揺らぎますが、医師を目指すきっかけになったアレルギー内科には今でも一番興味があります。」

具体的にはアレルギー内科に最も興味があるという木屋さん。
アレルギー内科はこれから回ることになるそうですが、様々な科を回ることで苦労もあると言います。

「国家試験で全ての科の勉強はしましたが、まだまだ足りないところばかりなので日々学んでいます。勉強したことと現場で必要なことが違うことも少なくありません。」

教科書に載っていることが全てではないということを身に染みて感じる日々を楽しんでいるそうです。

「例えば超音波の検査では、勉強の時は結果に対してだけ考えていましたが、実際は検査の仕方や、自分がどこを見たいかで変わってくるなど、目的を意識することが重要と感じました。」

外部の大学出身ということもあり、初めは人間関係なども含めて不安が大きかったと言います。

「4月に初めて来た時はすごい緊張していました。同期や先生方がすぐに受け入れてくれたことで、今ではずっとここにいるような感じで過ごせています。」

先生方も研修医全員を分け隔てなく見てくれ、多くの経験もさせてもらっているそうです。
見学をするだけでなく、実際に様々なことをやらせてもらえると言います。

「最初は1人で行うのは不安だったこともありましたが、今思えばわからないながらも試行錯誤してやったことが良かったのかなと思います。希望すればなんでもやらせてもらえるのは本当にありがたい環境です。もちろん、ただ丸投げするのではなく、病院の指導下、責任下のもと安心してやらせてもらえます。」

仕事でのサポートだけでなく生活面でも気にかけてくれ、特に木屋さんが感動したという出来事もあったそうです。
大学時代の友人たちは様々な病院で働いており、よく聞く悩みが休日があまり取れないことだと言います。

「元々、休日は有休含め積極的に取ることができます。ただ、働きはじめの頃にGWが飛石となっていたんですが、“外から来て働きにくい環境で1ヶ月頑張ったんだから、ゆっくり休んできな“と連休にさせてくれた時は感動しました。」

休みを取れた嬉しさより、先生の気遣いに感動したと言います。働きやすい環境もあってか、辛いことはなく働けているそうです。

充実した日々を送っている木屋さんに、将来の目標を聞いてみました。
大学時代はいわゆる田舎の地域で過ごし、現在は都会での生活をしている中で迷いもあるそうです。

「地方ではどうしても情報が遅れがちなので、都会でずっと最先端を学んでいくか、いつかは医療過疎の地域で貢献した方が良いのか迷っているのが正直なところです。」

アレルギーの分野はまだ未知の部分が多いことで、年々新しい情報が出てくることもあり、都会にいないと遅れてしまう懸念があるそうです。しかし、大学時代を過ごした岩手県にはアレルギー関連の医師が少ないこともあり、そこへの貢献も意義あるものと考えていると言います。

「どちらにせよ、まずは聖マリアンナ医科大学病院で周りの人に教えられるくらいの知識と経験を積むことが前提となると思います。研修医としては、必要な手技など一通りできるようにして、教えに頼らなくても大丈夫になることが当面の目標です。」

周囲の支えもあり、目標に向かって邁進している木屋さんに、これから研修医となる方々へメッセージを頂きました。

「研修先は人生の大事な分岐点なので、じっくり考えて自分の気持ちに正直に選んだ方が良いと思います。こちらでは落ち着いて働けて自分の時間を大切にすることもできるし、自分の好きな方向に行けるのは聖マリアンナ医科大学病院の良いところだと思います。」