中辻 侑子さん

聖マリアンナ医科大学出身

聖マリアンナ医科大学病院初の基礎研究医プログラム生!神奈川県内でも第1号

中辻 侑子さん

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一度は一般企業に就職し、再受験という形で医学の道を進むことに決めた中辻さん。
一般企業での経験や出会いから産業衛生に関わりたいという目標を見つけ、基礎研究医プログラムに応募しました。
聖マリアンナ医科大学病院では、中辻さんが応募した年からこのプログラムが始まり、神奈川県内初の基礎研究医プログラム生となっています。

健康で働けることのハードルは意外に高い。
健康管理に携わるために医者の道へ

一般企業から再受験をして聖マリアンナ医科大学に入ったという中辻さん。
どのような経緯があったのでしょうか。

「私は家族が医者だったこともあり、小さい頃から医者になろうと思っていました。それが高校時代に海外への憧れが強くなったことで4年制の大学に進学を決め、一般企業に就職しました。」

就職先では海外営業として、念願の海外関連の仕事をしていたそうです。
そこで直面したことが医者への道に繋がっていきます。

「実際に働いていると、うつ病や癌になって働くことができないという人が身近におり、健康で働けるハードルは意外に高いものだと感じたんです。」

心や身体を病んで仕事を休んだり辞める人がいることにショックを受けたという中辻さんは、働く人の健康管理に携わりたいと思い、医療の道を進むことに決めたそうです。

「元々医者に興味があったことが前提としてありますが、産業医の存在を知ったことも大きなきっかけです。公衆衛生などもしたいと思って医学部に入りました。」

全国でも同期は30名足らず。
神奈川県で初めて基礎研究医プログラムが新設された
聖マリアンナ医科大学病院を選択

全国でも数えるほどしか同期がいない珍しいプログラムを専攻している中辻さん。
その決定にはお世話になった方々の助言もあったそうです。

「卒業後はそのまま大学院に行き研究の道に進もうと思っていましたが、基礎研究医プログラムが新設されることを知ったのと、多くの先生から臨床経験も大事とアドバイスをいただいたことで初期研修を行うことに決めました。」

新設されたプログラムで定員も1名、全てが未知の状態とも言えるプログラムを受けている中辻さんの普段の仕事内容について伺いました。

「今のところは基本プログラムと大差ありません。ただ、定期的に研究室に行ってどのような研究をしたいか打ち合わせを行っています。2年間の研修期間の内、1年半は基本プログラム同様の動きをして、残りの半年は研究に没頭することになります。」

将来は産業医をしながら研究をしたいと語る中辻さんは、研修をして本当に良かったと感じているそうです。

「実際に働いている人が病気になった時に“どういった治療を受けるのか”“どのくらいの頻度で病院受診が必要か”など、研修をしていなければ分からなかったと思います。ぼんやりとしか分からなかったものが明確になるので、将来に繋がる経験ができています。」

1歳半の子どもを子育て中。
病院からのサポートはとても手厚いです

結婚、出産を既に経験しており、現在は1歳半となるお子さんを子育て中の中辻さん。
どのように両立しているのでしょうか。

「両立を上手くできているかは自信がないですが、窮屈さを感じることはありません。病院の敷地内に保育所があるなど働くママへのサポートは手厚いと思います。私の場合は、夫が一般企業の在宅勤務なので夫のご両親含め力を借りてなんとかなっている状況です。」

それでも、当直などでお子さんの顔がしばらく見れない時などはもどかしく感じることもあると言います。
子どもの年齢によっては当直免除もあるそうですが、中辻さんは使っていないそうです。

「せっかく初期臨床研修をすると決めたので、同期のみんなと一緒にちゃんとやりたいと思っています。休日は子どもとの時間と、勉強に割く時間とで葛藤することもありますが、夫や義両親をはじめとした家族の支えに感謝しています。」

前例がないからこそ
自分らしいキャリアを作っていける

基礎研究医プログラムは前例がないことで、今後のキャリアについてなど周囲の先生から心配されることもあるそうですが、中辻さん自身はどのように感じているのでしょうか。

前例がない分、自由に柔軟に自分のやりたいようにキャリアを作っていけると感じています。第1号だからこそ、そこを楽しむ気持ちでやっています。」

研修をしながら“研究をこの曜日に入れたい”など、自分で提案をしながら進めているという中辻さん。
将来をはっきりと見据えながら研修をしているからこそできることかもしれません。

「最終的には公衆衛生、産業衛生の分野の研究に携わりたいと考えています。研修医としては1年半しかしっかり臨床ができないので、この期間に手技などしっかりと覚えたいと思います。」