尾崎 みずほさん

メキシコ ユカタン大学出身

小児科重点プログラムで日々勉強中!海外で小児医療を経験した異色な経歴の持ち主

尾崎 みずほさん

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大学時代に留学したメキシコで約25年を過ごし、約7年間現地の地域医療に従事していたという異色の経歴を持つ尾崎さん。
メキシコでも経験してきた小児科医になるため、聖マリアンナ医科大学病院では「小児科重点プログラム」を選択しました。
この年の採用定員は2名というこの希少なプログラムで、尾崎さんどのような毎日を送っているのでしょうか。

メキシコで医学を勉強したので、
日本の医療を一から勉強中です。

ご自身でも同期の中で異色の存在だと語る尾崎さん。
それもそのはずで、人生の多くを遠く離れたメキシコで過ごしてきたそうです。

「日本の大学では経済学を専攻しており、メキシコに住み始めたのも経済学を学ぶ気持ちで国費留学をしたことが始まりでした。」

当時、尾崎さんは開発経済という“発展途上国をどのようにしたら豊かにすることができるのか”といった勉強をしていたそうです。奇しくも、メキシコに行ったことで経済学への道が閉ざされてしまったと言います。

「メキシコに渡って『お金=豊かさ』ではないことに気付きました。経済的には決して豊かではない人々が、とても幸せそうに生活しているんです。その気付きと同時に経済学者としての道に疑問を持つようになりました。」

経済とはいかにお金を儲けるかといった事がテーマになります。
経済的な豊かさが人間の豊かさに必ずしも繋がっていないと感じた以上、経済学者として進む道がなくなったそうです。

「そんな時に人々の助けになれる医療の道が私の中で開けました。メキシコの医学部を卒業して、娘が小さかった頃は少しお休みをしましたが、7年間ほど地域医療に携わりました。」

メキシコでは地域医療と言われる貧困地域での医療に自ら進んで携わっていたそうです。
経験豊富な尾崎さんですが、日本では初期臨床研修からのスタートとなります。

「今回は娘の大学受験を機に日本に帰国することになり、研修医として一から勉強中です。メキシコと日本では疫学が全然違うことに加えて、貧しい地域で働いていたのでCTやMRなどの検査についての知識もほとんどありません。しっかりと学んで、患者さん一人ひとりと向き合っていくことができる医師になることが目標です。」

小児科プログラムがある聖マリアンナ医科大学病院を選択。
その仕事内容とは

遠くメキシコから帰国して、研修医となるために聖マリアンナ医科大学病院を選択した尾崎さん。
どのようにして探したのでしょうか。

「私は家族に医者がいるわけでもなく、日本の医学が全く分からない中でネット検索だけが頼りという状態でした、そんな中で小児科重点プログラムがある病院に狙いを定めましたが、そもそも狙いのプログラムがある病院の数があまりなかったのが正直なところです。」

メキシコで小児医療に携わってきたことで、日本でも小児科医になる事を第一に考えての選択だったそうです。
この年の定員は2名という希少なプログラムで、どのような働き方をしているのでしょうか。

基本プログラムでは小児科を1ヶ月しか回れないところ、小児科重点プログラムでは倍の2ヶ月回れるところが一つの特徴ではないでしょうか。小児科だけではなく、基本プログラム同様に広い科を見て回ることもできます。」

1年目は必修の内科と救急を回るなど、基本プログラムの人とほぼ同じ動きですが、2年目からは小児科、小児外科、NICUを選択することが可能になるそうです。しかし、内科に対しては不安もあったと言います。

「ずっと小児に関わってきたこともあり、最初は内科が怖くて仕方がありませんでしたが、研修のおかげで少しずつ恐怖心も消えてきていて、今では日本の地域医療にも関心を持つようになりました。

研修医になって気付いたこと。
聖マリアンナ医科大学病院は良い意味で想像と違う場所でした。

職場環境や人間関係について聞いてみると、良い意味で想像とは違ったようです。

「同期とは年齢の差があることから距離が空いてしまうか心配でしたが、みんな仲良くしてくれて楽しく過ごせています。上級医の方も優しく、どこの科を回っても先生方がサポートしてくれるという安心感があります。」

働く前は日本の病院はみんながライバルで競争が厳しいと想像していたそうですが、“みんなで助け合って一緒に進んでいこう”という気持ちを強く感じているそうです。
また、有休や夏休みなどを積極的に使うように促してくれることなども良い意味で想像とは違ったそうですが、それ以上に感銘を受けたことがあると言います。

特に感銘を覚えたことは、看護師さん、栄養士さん、薬剤師さんやソーシャルワーカーさんなど関わる全ての人が、患者さん一人ひとりがどうやって病気に向き合っていけるのか、より良い生活ができるのかを真剣に考えていることです。退院後の患者さんの生活まで考えることはメキシコではなかったと思います。チーム医療の大切さを学んでいます。」

人が良い聖マリアンナ医科大学病院は
将来を考えても良い場所だと思います

研修医として働き始めて約半年が経過した尾崎さんに、聖マリアンナ医科大学病院について聞いてみました。

「これから研修先の病院を探している人たちには、人が暖かく、人間味のある聖マリアンナ医科大学病院は働きやすくとても良い場所だと思います。チューター制度という研修での悩みを相談できる制度も、働きやすさの一因になっているかもしれません。

上級医とは別の先生がチューターとなって相談に乗ってくれる制度で、尾崎さんは困ったことがあるときはすぐに相談しているそうです。

「2023年度からは新しい病棟が完成し、綺麗な施設で学ぶことができることも魅力的ではないでしょうか。もしご縁があれば一緒に学べることを楽しみしています。」